fullseye

文献層: 光学計測と外観検査の信頼性(厳選)

何のコーパスか: 検出確率(POD)と NDE の信頼性、レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ、偏光からの形状復元、能動 3D の大域光輸送(相互反射・ToF のマルチパス)、光学式 3D センサの受入試験と不確かさ(VDI/VDE 2634・ISO 10360・GUM)、検査計画と合成データ。

Fullseye でなぜ要るか: 外観検査と 3D 計測の結果に「どこまで信じてよいか」を付けるための知識。spc の pod・uncertainty・msa、optics の coherent・shape_from_polarization の各族と、既存の構造化光・照明設計・合成データの op を、規格と古典の側から使い分けられるようにする。

来歴: OpenAlex から取得した論文メタデータの主題側 1,264 本(分野違い・重複を落とした後)を、取得クエリの軸 6 クラスタで持つ生のコーパス(LLM による階層化・要約はしていない、2026-10-13)。この層は人が厳選した層で、軸ごとの概観は人が抄録を読んで自分の言葉で書いたもの、論文は古典と 2020 年以降の有用なものを手で選んだもの(目録 docs/literature/curated/optical_metrology.json)。載せるのは題名・著者・年・DOI だけ(メタデータは CC0。抄録は出版社の権利なので写さない —— 目録の手書き文はコーパスの全抄録と 8 語の並びで突き合わせ、一致があれば生成を止める)。軸の本数は語彙で当たった本数で、2 軸以上に当たる文献は両方で数える。

使い方(op に落とす): 各軸の「使う op」は目録に人が書いた対応で、op 名は生成時に出荷ノート 3,623 本の一覧と突き合わせる(無ければ止まる)。op の後ろはなぜ使うかと型。「Fullseye に無いもの」は op に落ちていない部分を正直に書いたもの。読む順: 話題 → 軸の概観 → 使う op → op ノート(型の契約・実行できる例)→ 厳選した文献。末尾の「op → クラスタ」で逆に引ける。

目次

T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性

287 本(この軸の語彙で当たった本数)

POD(a) は、検査が大きさ a の欠陥をどの確率で見つけるかを表す曲線。データの取り方は 2 通りある。見つけた/見逃したの 2 値(hit/miss)を一般化線形モデルで当てる方法と、欠陥の大きさ a と信号の強さ â の関係を回帰し、判定閾値から POD を導く方法(â vs a)。報告に使うのは a90/95(90 % の確率で見つかる大きさの、95 % 信頼上限)。

文献が繰り返し挙げる落とし穴は 4 つ。標本が少ないと a90/95 が出ない・偏る(2 値データなら 60 個以上が目安)。材質・厚さ・形の違う試験片で作った曲線を流用する。「見つかった最小の欠陥」を能力と取り違える。人が判定する検査では信号の強さで説明できないばらつきが出て、â vs a と hit/miss の答えが食い違う。

実欠陥の試験片は高いので、シミュレーションで応答を作るモデル援用 POD(MAPOD)が広がっている。画像や目視による外観検査に限った POD の研究は少なく、橋梁の目視点検や浸透探傷が数少ない例。

使う op(目録の対応。ノートで型と例を確かめてから使う):

厳選した文献(10 本、古い順)

T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ

369 本(この軸の語彙で当たった本数)

光切断(シート光)と三角測量は、レーザー線の位置を画像で読み、三角測量角で高さに変える。粗い面をコヒーレント光で照らすとスペックルが出て、線の重心が揺れる。この揺れは画素や電気雑音を良くしても消えない床で、波長・観察側の開口・三角測量角・スペックルのコントラストで決まる。

床を下げる手は 3 つ。時間・空間のコヒーレンスを下げる(拡散板を動かす、波長や角度を振る)、観察側の開口を広げる、三角測量角を大きくする(測定範囲と引き換え)。スペックルそのものの統計(強度の分布、コントラスト、粒の大きさ)は Goodman の古典にまとまっている。

2015 年以降の実測研究は、反射率・粗さ・傷といった技術表面の性質で不確かさが材料ごとに変わること、センサの仕様書の値が同じ定義で書かれていないことを示し、横分解能・時間雑音・校正の正しさを揃えた条件で比べることを勧めている。

使う op(目録の対応。ノートで型と例を確かめてから使う):

厳選した文献(10 本、古い順)

T3 偏光からの形状復元

181 本(この軸の語彙で当たった本数)

誘電体の面で反射した光は部分的に偏光する。偏光度(DoLP)は天頂角(面の法線と視線のなす角)で、偏光の方位(AoLP)は法線の方位で決まり、どちらも Fresnel の式から計算できる。逆に解けば 1 視点から法線が出るが、答えは 1 つに決まらない。方位には π の曖昧さがあり、鏡面反射の天頂角は Brewster 角を挟んで 2 つ、しかも屈折率が要る。

拡散反射は天頂角が一意で物体の縁ほど精度がよい。鏡面反射は信号が強い代わりに曖昧さが増える。曖昧さを解く手として、凸性などの事前知識、物体を少し傾けた 2 枚目(透明体)、多視点と形状の粗い推定(黒い鏡面体)、粗い深度との融合、デフレクトメトリとの融合が文献に並ぶ。

偏光カメラ(画素ごとに 4 方向の偏光子)ではデモザイクの誤差がそのまま法線の誤差になるので、補間法の選び方が精度を左右する。

使う op(目録の対応。ノートで型と例を確かめてから使う):

厳選した文献(10 本、古い順)

T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)

120 本(この軸の語彙で当たった本数)

縞投影・グレイコード・ToF は、ふつう「各画素はプロジェクタの 1 点から直接来た光だけを受ける」と仮定する。凹面の相互反射、半透明体の表面下散乱、プロジェクタのぼけはこの仮定を破り、位相や符号を系統的にずらす。偶然誤差ではないので平均しても消えない。

高い周波数の模様では、各点が受ける大域成分がほぼ一定になる。この観察を使うと、模様とその補模様の 2 枚で直接成分と大域成分を分けられる。測距では、長距離の相互反射は低い周波数の模様を、短距離の散乱は高い周波数の模様を壊す。狭い高周波帯だけで位相シフトする方法や、効果ごとに強い符号を組み合わせる方法はこの分析から出てきた。

ToF では同じ現象がマルチパス干渉として現れ、複数の変調周波数や時間周波数の領域で経路を分ける。物理ベースのレンダリングで真値つきの合成スキャナを作り、手法を比べる研究もある。

使う op(目録の対応。ノートで型と例を確かめてから使う):

厳選した文献(10 本、古い順)

T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ

332 本(この軸の語彙で当たった本数)

光学式 3D センサが何 µm で測れるかを言うには、受入試験と不確かさの 2 つが要る。受入試験の代表は VDI/VDE 2634(第 2・3 部)と ISO 10360-13 で、校正された球・球棒・平面を測り、球の当てはめ残差(プロービング誤差)・球間距離の誤差・平面の当てはめ残差を、決められた位置と向きで求める。触針式 CMM の ISO 10360 の考え方を光学に移したもので、自由曲面の測定能力を確かめる人工物も提案されている。

不確かさは GUM の伝播則と補遺 1 のモンテカルロ法で評価し、両者が合うかを比べた研究が多い。作業ごとの不確かさ(ISO 15530)を点群に当てる試みや、仮想 CMM のように模擬から不確かさを出す方法もある。

縞投影ではプロジェクタの非線形な階調が位相誤差になり、反復で補償できる。この評価の枠組みは学習モデルの深度推定の評価にも使われ始めた。

使う op(目録の対応。ノートで型と例を確かめてから使う):

厳選した文献(10 本、古い順)

T6 検査計画と合成データ

217 本(この軸の語彙で当たった本数)

検査の設計を実機の前にどこまで決められるか、が主題。1 つは視点計画で、CAD やメッシュから、面を必要な画質で覆う少数のカメラ姿勢を探す(粒子群最適化、幾何特徴に応じた標本化、強化学習、階層的な分割)。被覆の最適化は組合せが爆発するので、どれも近似解。

もう 1 つは合成データで、物理ベースのレンダリングで欠陥つきの画像と画素単位のラベルを作り、学習や評価に使う。欠陥を手続き的に置き、物体・カメラ・照明を乱数で振る(ドメインランダム化)と、合成だけで学習したモデルが実画像で学習したモデルに並ぶ例が出ている。効くのは欠陥の形・材質・照明・視点で、レンダリングの標本数ではないという報告もある。

POD の側からは、少ない実欠陥と模擬した応答から hit/miss の POD 曲線を作る研究がある(T1 と繋がる)。

使う op(目録の対応。ノートで型と例を確かめてから使う):

厳選した文献(10 本、古い順)

op → クラスタ(逆引き)

この層で「使う op」に挙がった op と、それが出た軸。op から「どの知識の文脈で使うか」を引く。

op 出た軸
absolute_phase T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
aolp_to_azimuth T3 偏光からの形状復元
aug_read_noise T6 検査計画と合成データ
aug_shot_noise T6 検査計画と合成データ
calibration_views T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
coherent_image T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
decode_fringe T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
defect_contrast T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
defect_dataset T6 検査計画と合成データ
dolp_to_zenith T3 偏光からの形状復元
dtof_depth T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
emva_snr_curve T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
fit_sphere_3d T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
form_factors_2d T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
fringe_multipath_phase_error T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
graycode_decode T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
groove_profile T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
gum_expanded T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
gum_monte_carlo T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
gum_propagate T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
gum_standard_uncertainty T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
gum_validate T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
high_frequency_patterns T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
illumination_design T6 検査計画と合成データ
illumination_visibility T6 検査計画と合成データ
inspection_dataset T6 検査計画と合成データ
laser_line_coherent T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
lighting_sweep T6 検査計画と合成データ
lines_gauss T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
micro_phase_decode T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
msa_attribute_agreement T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
msa_bias_linearity T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
msa_gauge_rr T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
normal_from_reflection T3 偏光からの形状復元
optscene_defect_mask T6 検査計画と合成データ
optscene_depth T6 検査計画と合成データ
peak_subbin T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
pod_ahat_fit T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
pod_decision_tradeoff T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
pod_false_call T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
pod_from_ahat T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
pod_hitmiss_fit T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
polarization_demosaic T3 偏光からの形状復元
polarization_demosaic_color T3 偏光からの形状復元
polarization_dolp_map T3 偏光からの形状復元
polarization_separate T3 偏光からの形状復元
predict_fringe_phase_error T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
random_defects T6 検査計画と合成データ
ransac_plane T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
ransac_sphere T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
render_optscene T6 検査計画と合成データ
render_transport T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
sam_cscan T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
sam_frequency_tradeoff T1 検出確率(POD)と NDE の信頼性
separate_direct_global T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
sfp_disambiguate T3 偏光からの形状復元
sfp_dolp_model T3 偏光からの形状復元
sfp_estimate_index T3 偏光からの形状復元
sfp_height T3 偏光からの形状復元
sfp_normals T3 偏光からの形状復元
sfp_render T3 偏光からの形状復元
speckle_field T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
speckle_reduction T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
speckle_statistics T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
surface_defect T6 検査計画と合成データ
surface_form_error T5 光学式 3D センサの受入試験と不確かさ
synthesize_fringes T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
tof_multipath_phase T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
tof_transport_depth T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
transport_matrix_radiosity T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
triangulate_column T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
triangulation_speckle_limit T2 レーザースペックルと光切断・三角測量の不確かさ
unwrap_phase_2d T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)
wrapped_phase T4 能動 3D の大域光輸送(相互反射・表面下散乱・マルチパス)